「第一の被害者である羽場美由紀先輩が殺された夜、この辺りでお前を見たと言っている人が見つかった。写真じゃわからないって言われたから、実際にお前の姿を目で見て確認してもらったんだ。確かにお前だったって、そうはっきり証言してくれたよ」
「嘘だッ!」
神宮司は目を大きくして一歩踏み出した。
「犯行はすべて夜の出来事だったんだろ?! 暗い夜道で人の顔なんか判別できるはずが……っ」
そこまで一気にまくし立てたところで、神宮司は大きくした目をさらに見開いてその場に凍り付いた。
「そうなんだよ」
冷静さを失った神宮司と対照的に、詠斗は至って冷静な口調でそう言った。
「こんな細い裏路地じゃ、夜になれば真っ暗で街灯もあてにならないだろうな。そんな場所で見知らぬ誰かの顔を判別することなんて、そう簡単にはできないんだ。それはお前を目撃した人に限らず、お前自身にも言えること。だからお前は、美由紀先輩を殺すことになってしまった――標的にしていた猪狩華絵と見間違えて」
「嘘だッ!」
神宮司は目を大きくして一歩踏み出した。
「犯行はすべて夜の出来事だったんだろ?! 暗い夜道で人の顔なんか判別できるはずが……っ」
そこまで一気にまくし立てたところで、神宮司は大きくした目をさらに見開いてその場に凍り付いた。
「そうなんだよ」
冷静さを失った神宮司と対照的に、詠斗は至って冷静な口調でそう言った。
「こんな細い裏路地じゃ、夜になれば真っ暗で街灯もあてにならないだろうな。そんな場所で見知らぬ誰かの顔を判別することなんて、そう簡単にはできないんだ。それはお前を目撃した人に限らず、お前自身にも言えること。だからお前は、美由紀先輩を殺すことになってしまった――標的にしていた猪狩華絵と見間違えて」