「わかってるよな? 二人とも。どうしてここに呼ばれたのか」

「さぁ、何の話かな」

「……頼む、神宮司」

 とぼけたように薄ら笑いを浮かべた神宮司に、詠斗は祈るような目を向けた。

「自首してくれ」

 その声にハッとした表情を浮かべたのは草間千佳だった。見る見るうちに青ざめていき、顔を上げられないでいるようだ。

 詠斗が傑にした頼み事。

 たとえ真実がわかっても、安易に逮捕しないでほしい。

 できることなら、二人には自首をしてもらいたいから。

 自首を勧めるための時間を作ってもらうこと――それが詠斗の願いだった。