『……わかりました。協力します』

 返ってきた声はどこか不安げで、いつものような明るさはない。詠斗は斜め上を見上げた。

「怖いですか?」

『……そうですね、少し』

「やめましょうか? 面通し」

『いえ、大丈夫です』

「本当に?」

『はい。でもやっぱり怖いので、あなたの後ろにくっついていることにします。そうすれば、何かあってもあなたが守ってくれるでしょう?』

「何かって……」

 幽霊を相手には何をすることもできないと思うのだが、美由紀がそれで落ち着けるのならそうしてもらえばいいか、と詠斗は頭を掻いた。