先程の会議で出された結論が本当に真実だったとしたら、美由紀に一体どう伝えればいいのだろう。

 どれだけ言葉を選んでも、美由紀の心を傷つけることにしかなりそうにない。命を落とし、訪れるはずだった未来を奪われたという事実だけでも十分につらい現実なのに、これ以上その傷を抉るような真似などしたくないのに。

『大丈夫ですよ、私なら』

 詠斗の気持ちを察したのか、美由紀は優しい声でそう言った。

『あなたの言う通り、すべての真実を知ることが私の願いです。それは今でも変わりませんし、どんな真実だって受け止める覚悟はできています。知らないままでいるほうがつらいですからね、私にとっては』

 そのまっすぐな言葉に、くしゃ、と詠斗は柔らかい黒髪を握りしめた。