『本当ですか?』

「えぇ、今兄貴が裏取りに動いてくれています。早くて明日にはすべてが明らかになるはずです」

 そうですか、と言った美由紀の声が妙に落ち着いていて、詠斗は思わず眉をひそめた。

「嬉しくないんですか? 事件の真相解明が先輩の望みだったはずでしょう?」

『……そのセリフ、そっくりそのままお返ししても?』

「え?」

 思わぬ一言に、詠斗は素直に驚いてしまった。

「……どういう意味ですか? それ」

『どうもこうも、あなたのほうが全然嬉しそうじゃないからですよ。どうしてそんなに暗い声で言うんです? せっかく真相がわかったというのに』

「それは……」

 次の句が継げないまま、詠斗はそっと俯いた。