穂乃果は巧に手のひらを向けてペンを要求する。そして、巧の書いた『神宮司隆裕』の文字の下に赤字で『アリバイ?』と書き足した。なるほど、と詠斗は小さく呟く。
「兄貴が言うには、仲田翼先輩が殺されたのは一昨日の午後七時から九時の間。その時間に確実なアリバイがもしあるのなら、神宮司隆裕に仲田先輩は殺せない」
「アリバイっていうと、誰かと一緒にいたとか、そういうことだよね?」
そう確認してきたのは紗友だ。詠斗は頷いて同意した。紗友の隣で穂乃果が「ちなみに」と手を挙げる。
「家族によるアリバイ証言は証拠能力に欠けると言われているわ。身内を守るために嘘をつくことが容易に想定されるから」
「けど、夜の七時ならたいていのヤツは家にいるもんじゃねぇの?」
巧は眉を寄せながら意見する。そうね、と穂乃果は頷いた。
「兄貴が言うには、仲田翼先輩が殺されたのは一昨日の午後七時から九時の間。その時間に確実なアリバイがもしあるのなら、神宮司隆裕に仲田先輩は殺せない」
「アリバイっていうと、誰かと一緒にいたとか、そういうことだよね?」
そう確認してきたのは紗友だ。詠斗は頷いて同意した。紗友の隣で穂乃果が「ちなみに」と手を挙げる。
「家族によるアリバイ証言は証拠能力に欠けると言われているわ。身内を守るために嘘をつくことが容易に想定されるから」
「けど、夜の七時ならたいていのヤツは家にいるもんじゃねぇの?」
巧は眉を寄せながら意見する。そうね、と穂乃果は頷いた。