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すっかり夕飯の仕度も終わった午後六時四十分。
ダイニングテーブルに着いていた穂乃果が唐突に立ち上がった。その向かい側に座ってテレビ画面に流れる字幕を眺めていた詠斗は、穂乃果を追って後ろを振り返る。すると、インターホンが青い光を点滅させて来客を知らせていた。カメラ付きのため、画面に紗友の顔が映し出されているのが見える。見切れているが、わずかに巧の影もあることが確認できた。
解錠するや否や、穂乃果はキッチンに立ってカレーの鍋に火をかけた。詠斗はエレベーターで上がってくる二人を出迎えに玄関先へと向かう。
「やっほ!」
ドアを開けて待っていると、紗友が手を上げながらやってきた。その後ろから巧がやや緊張気味についてくる。巧と穂乃果が顔を合わせるのはこれが初めてだった。
すっかり夕飯の仕度も終わった午後六時四十分。
ダイニングテーブルに着いていた穂乃果が唐突に立ち上がった。その向かい側に座ってテレビ画面に流れる字幕を眺めていた詠斗は、穂乃果を追って後ろを振り返る。すると、インターホンが青い光を点滅させて来客を知らせていた。カメラ付きのため、画面に紗友の顔が映し出されているのが見える。見切れているが、わずかに巧の影もあることが確認できた。
解錠するや否や、穂乃果はキッチンに立ってカレーの鍋に火をかけた。詠斗はエレベーターで上がってくる二人を出迎えに玄関先へと向かう。
「やっほ!」
ドアを開けて待っていると、紗友が手を上げながらやってきた。その後ろから巧がやや緊張気味についてくる。巧と穂乃果が顔を合わせるのはこれが初めてだった。