『うわっ、なにコイツ! 赤いブツブツ出てきたっ!』
 
また、場面が変わる。
これは、小学校四年生の時の運動会の練習場面だ。

クラス全員で輪を作る種目があり、となりの男の子と手をつないだことで、私より大きいなって意識した途端の出来事。
蕁麻疹が一気に出て、さらに私は気を失ってしまったのだ。

『気持ち悪っ!』
 
遠のく意識の中、見えたのは、その男の子が自分の手を何度も何度も体操服で拭いているところ。

運動会当日は、両隣を女の子に変えてもらったけれど、練習の日に、私の蕁麻疹のことは一気に広まっていたので、その女の子達も気持ち悪がり、一、二本の指でほんの少し触れるだけだった。

そして、この出来事をきっかけに、私は男の子にほんの少し触れただけでも蕁麻疹が出るようになってしまった。