「くしゅっ!」
 
一時間半くらい経っただろうか、あたりが薄暗くなってきた。
陽が落ちたことで少し風も肌寒くなってきたようで、くしゃみが出る。
 
私はなんだかとても惨めな気持ちで、下を向いて座っていた。

べつに、約束をしていたわけじゃない。
来ないからって、べつに腹を立てる筋合いもない。

そんなことはわかっている。
ただ、勝手に期待して、勝手に落胆しているだけだ。

そんな自分が本当に情けないし、なんだか、ものすごく疲れた。
 
お母さんが帰ってくる前に、帰らなきゃ。
そう思ってゆっくり立ちあがり、屋上の出入口へのろのろと向かう。

階段への扉を開け、重い気持ちにため息をつきながら一歩ずつおりていった。