「えっ? タネミア、男にさわられると蕁麻疹が出るの?」
「そーなの? マジで?」
「うわ、親から虐待とか、ありえねーし。悲惨すぎ」
「……っ!」
 
両手で口を押さえ、あとずさる。
まるでバッドで頭を殴られたかのような衝撃に襲われ、ぐらりと眩暈がした。

「おい、大きな声出すなよ。あと、絶対言うなよ? プライバシーの問題もあるんだから」
「お前、俺らにコレ見せたあとで、なに言ってんの?」
 
ハハハハ、と大きな笑い声。
私はなにが起こっているのかわからずに、パニックで足がすくんでしまった。
硬直したままで、体を動かすことができない。

「たぶん、誰が告ってもOKしなかったのは、そのせいなんじゃないかな」