教室に入り、すでに窓際で男の子同士ふざけ合っている大橋くんの背中を見る。

正直、蕁麻疹の原因まで話したことで、大橋くんの私への態度が変わってしまうかも、と心配していた。
でも、彼はいつもどおり接してくれたし、普通に笑いかけてくれた。
それが、なによりも嬉しかった。

いつか、ナナちゃん達にも打ち明けることができたらいいと思う。
 
ウソツキさんからチョコをもらいだしてから、本当に物事がいい方向へ向かっているような気がする。

もしかして、本当に魔法がかけられているのかも。
そう思ったら、なんだかひとりで笑えてきた。
 
昨日借りた傘を持ってきたから、帰り道、またマンションに寄って帰ろう。
ついでにチョコレートももらおう。