「よかっ……たー……」
 
言ってよかった。
大橋くんはやっぱり優しくていい人で、思ったとおりの人だった。

もう一度メールを読み返し、大橋くんの思いやりを噛みしめる。

“それって治るの? 原因とかあったりするの?”
 
これに関しては、どう返答しようか少し迷ったけれど、私は大橋くんを信じて正直に話すことにした。

『ありがとう。そう言ってもらえて心が軽くなったよ。治るかどうかはわからないけど、一応今、克服できるように頑張ろうとは思ってる。
あと、原因なんだけど、実は小学校に上がる前、父親に暴力振るわれていて、そのトラウマからみたいなんだ。小さかったから断片的にしか記憶に残ってないんだけど、痣が見えないように服をたくし上げられて、直接殴られたことは覚えてる。服の上からだと大丈夫なのに直に触れられると蕁麻疹が出ちゃうのは、その記憶の鮮明さからかもしれない。
親同士はそれが原因で離婚しているから今は大丈夫なんだけど、なんか拒否反応がいまだに残っているみたいで。ごめん、なんか暗くて重い話しちゃって』