『今日は、なんかごめんね。無意識だったにしろ、急に手を握って驚かせたよね。本当にごめん』
家に着き、シャワーを浴びて部屋に戻ると、大橋くんのほうからメールが届いていた。
どうやら彼には、蕁麻疹を見られてはいないようだ。
『ううん。私のほうこそ驚かせちゃってごめんなさい。実は私、男の人に触れられると蕁麻疹が出ちゃう体質で』
タオルで髪を拭きながら、親指をためらいがちに少しずつ動かす。
本当に言って大丈夫だろうか。
ちゃんと解ってくれるかな。
“その程度っぽいの? いい人で優しいオオハシくんは”
ウソツキさんの言葉を思い出して、頭を大きく振る。
大丈夫、大橋くんはそんな人じゃないはずだ。