「ねーねー美亜っち、さっき呼び出されてたのって……」
「……うん」
あぁ、やっぱり聞かれるんだ。
「うわー、やっぱり告白? あの人三年の相沢先輩だったでしょ? で? で? なんて返事したの?」
お弁当を食べ終えた昼休み。
アサちゃんこと朝子ちゃんが、教室に戻ってきた私を見つけると、すごい勢いで寄ってきた。
アサちゃんは恋愛話が大好きで、結構つっこんで聞いてくる子だ。
裏表がなく人懐っこい性格で、一番私にしゃべりかけてきてくれる。
「ううん……よく知らないし、私なんかと付き合ってもおもしろくないだろうから、断っちゃった」
「えぇっ、マジで? なに、もったいないことしてんの?」
「ちょっとアサ、美亜の自由じゃない。大きな声で教室中に丸聞こえで、美亜が困るよ」
ナナちゃんこと菜々美ちゃんが寄ってきて、アサちゃんを落ち着かせる。
ナナちゃんはいつも冷静で、こうやって場をまとめるのが得意なお姉さん系。
私にもすごく優しくて、一番安心して話せる友達だ。