「よかった」
「え?」
T字路に近付いた時だった。大橋くんの声のトーンが急に変わった。
表情も、ちょっとだけ強張っているように見える。
「俺フラれてるからさ、種田さんが友達になってくれると思ってなかったんだ、本当は」
「あ……」
ああ、と無理に笑いながらごまかす。
大橋くんの表情が伝染して、今の今まで自然に上がっていたはずの私の頬も硬くなったような気がした。
「俺、ウソつけないから言うけどさ、正直言って、種田さんへの気持ちがなくなったわけじゃないんだよね」
どうしよう。
話の流れが、苦手な方向に向かっている。
T字路まで来てしまい、道の分岐点でふたりとも立ち止まってしまった。
水音の合わさった足音がなくなったせいで、傘にポツポツと当たる雨音が異様に響いて聞こえる。
「え?」
T字路に近付いた時だった。大橋くんの声のトーンが急に変わった。
表情も、ちょっとだけ強張っているように見える。
「俺フラれてるからさ、種田さんが友達になってくれると思ってなかったんだ、本当は」
「あ……」
ああ、と無理に笑いながらごまかす。
大橋くんの表情が伝染して、今の今まで自然に上がっていたはずの私の頬も硬くなったような気がした。
「俺、ウソつけないから言うけどさ、正直言って、種田さんへの気持ちがなくなったわけじゃないんだよね」
どうしよう。
話の流れが、苦手な方向に向かっている。
T字路まで来てしまい、道の分岐点でふたりとも立ち止まってしまった。
水音の合わさった足音がなくなったせいで、傘にポツポツと当たる雨音が異様に響いて聞こえる。