「へー、それはそれは」
「そうなんです。なんかメールもすごく優しくて、気さくで」
 
大橋くんと友達になって二週間くらい経った。
私は結構な頻度で帰り道にマンションの屋上に通い、ウソツキさんに近況報告をしていた。

「で? なんなの、それ。ノロケ? このまま付き合いたーい、とか?」
「なっ……そんなこと言ってないです」
「ネコさ、そういうオチのないトークは同級生のお友達としてくれない? 二十代のおにーさまにするような話かよ」
「だって……」
 
なんだかあの三人には、こうやって出しゃばってしゃべることができない。
やっぱり聞き役に回ってしまうのだ。

「ねぇ、ウソツキさんて二十代って言ってるけど、結局、今何歳なんですか?」
「ハタチ以上三十路未満」
「だからそれが二十代ってことでしょ? 本当は何歳? ちなみに、なにやってる人なんですか?」
「興味あるの? 俺のこと」