翌日。
いつものように四人で机を固めてお弁当を食べていると、床を踏みしめながら近付いてくる足音に気付いた。

「種田さん」
 
振り返って顔をあげると、そこにはすでにお昼ご飯を食べ終えたのであろう大橋くんが、緊張の雰囲気をまとって立っていた。

「は、はい」
 
少し離れているものの、気迫に押されて若干怖い。
アサちゃん達も興味深そうなワクワクした目で、大橋くんが発する言葉を待っている。
 
また校舎裏に連れていかれるのだろうか。
ちゃんと断ったつもりだったんだけど。
 
私はみんなとは逆に、なにを言われるのか内心ビクビクしながら、大橋くんの言葉を待った。

「せめて友達になってくださいっ!」
 
大橋くんは教室中のみんなに聞こえるような通った声でそう言い、座ったままの私に深々と頭をさげた。