「入学してから、ずっと好きでした。俺と付き合ってくださいっ」
「ごめんなさい」
昼休みの校舎裏。
さげたままの頭と握手を求める手が、恨めしそうにゆっくり戻される。
教室で、「ちょっといい?」と声をかけられた時からなんとなく予感はしていたけれど、やはり告白だった。
今回は、いつも以上に気まずい。
だって、同じクラスの人気者の大橋くんだからだ。
すぐ噂になって広まりそうだし、断った相手と同じクラスっていうのはキツイ。
「種田さん、好きな人いるの?」
「い、いないけど」
「お試しでもダメ?」
まるで仔犬みたいな目で私を見る大橋くんが、サクッと一歩、芝生を踏んで歩み寄る。
警戒してしまった私は、
「ごめんなさい」
と一歩さがりながら再度答えて、そのまま頭をさげて教室まで小走りで戻った。
「ごめんなさい」
昼休みの校舎裏。
さげたままの頭と握手を求める手が、恨めしそうにゆっくり戻される。
教室で、「ちょっといい?」と声をかけられた時からなんとなく予感はしていたけれど、やはり告白だった。
今回は、いつも以上に気まずい。
だって、同じクラスの人気者の大橋くんだからだ。
すぐ噂になって広まりそうだし、断った相手と同じクラスっていうのはキツイ。
「種田さん、好きな人いるの?」
「い、いないけど」
「お試しでもダメ?」
まるで仔犬みたいな目で私を見る大橋くんが、サクッと一歩、芝生を踏んで歩み寄る。
警戒してしまった私は、
「ごめんなさい」
と一歩さがりながら再度答えて、そのまま頭をさげて教室まで小走りで戻った。