「ウソツキさんは医者か心理カウンセラーなんですか?」
「プラス魔法使い」
 
胡坐をかいたままベンチの背に体をもたせかけ、空を見ながら無駄にさわやかに笑うウソツキさん。

やっぱりこの人、ウソつきだ。
私のことをからかっている。

「はい、薬」
 
ウソツキさんはいつものチョコをケースから出して、私の前に差しだした。

「こんな子どもだまし……」
「いいから食べてみなって」
「ていうか、なんでいつもくれるんですか? チョコレート」
「ネコは研究材料だからね」
「は?」
「俺の魔法がちゃんと効くかどうか、試してんの」