無表情ながら、頬杖をついているため頬が持ちあげられ、若干不細工な顔になったウソツキさんは言う。

「大人ですね」
「中高生と比べんなよ。俺、少なくともアナタ達よりは大人よ」
「ふふっ」
 
思わず笑ってしまった。
今、私の中の爆弾を吐きだしたばかりだというのにもかかわらず。

ウソツキさんはそんな私を見て、口を開いた。

「ネコは、それを治すために、なにかやってないの?」
「え?」
 
驚いた。
目から鱗だった。
諦めばかりが先に立ち、克服するなんて概念はハナから持ち合わせていなかったからだ。

「なにも……」
「じゃあこの先さ、交際も結婚も出産も、全部諦めてるの?」
 
そこまで未来のことは考えていなかったけれど、男女交際を諦めているということは、結果、そういうことになる。