組んだ足に頬杖をついて、視線だけこちらに向けるウソツキさん。
「そういうネコはどうなの? 俺はこのマンションの住人だけど、アナタはちがうんでしょ? なにしにこんなとこまで、あがってきてるの?」
「ぼーっとしたり、空とか景色見るため」
「一緒じゃん。ヒマなんですね」
ウソツキさんは軽くふきだして視線を前に戻した。
私はなにも返せずに、ちらりと彼を睨んだ。
夕方五時台の秋の空を見ながら、ふたりとも、しばし無言になる。
でもなんだかこの空気、私は好きだな、と思った。
ゆっくりとして私を急かしたりしない優しい空気、学校とはまったくちがう穏やかな空気が、ここにはあるような気がしてならない。
「そういうネコはどうなの? 俺はこのマンションの住人だけど、アナタはちがうんでしょ? なにしにこんなとこまで、あがってきてるの?」
「ぼーっとしたり、空とか景色見るため」
「一緒じゃん。ヒマなんですね」
ウソツキさんは軽くふきだして視線を前に戻した。
私はなにも返せずに、ちらりと彼を睨んだ。
夕方五時台の秋の空を見ながら、ふたりとも、しばし無言になる。
でもなんだかこの空気、私は好きだな、と思った。
ゆっくりとして私を急かしたりしない優しい空気、学校とはまったくちがう穏やかな空気が、ここにはあるような気がしてならない。