なんか、あの屋上のベンチに寝そべりながら空を見たい気分。
帰り道、ふいにそう思った。
ウソツキさんにこの前会ってから四日くらい経っていた。
 
あの人は、毎日いるのだろうか? 
いや、べつに、いてもいいんだけれど。
 
二回目に会った時に結構しゃべったからだろうか、私は彼が屋上にいることといないこと、どちらを期待しているのかわからないような気持ちになっていた。
結論、どっちでもいい、なのかもしれない。

「ん?」
 
どっちでもいい、なんて思えるんだ、私。
あんな正体不明の男の人に対して。

自分でも自分の気持ちを不思議に思いながら、いつものように屋上へあがる。

「いない……」
 
屋上に着くと、まずベンチを見た。
けれども、誰もいなかった。