三秒くらいだったと思う。
ゆっくり顔を離されて、笑ってもう一度軽くチュッとされた。

今されたことをちゃんと理解した途端、顔の再沸騰が始まる。
私の顔は蕁麻疹と動揺と照れで、今どんなにひどいことになっているのだろうか。

「す……すごいことになってますか?」
 
たしかに感じる顔の熱さが、私をまた涙目にさせる。

「すごいことになってる」
 
ふっとウソツキさんが笑う。
はずかしさと見られたくない気持ちでいたたまれなくなった私は、ふいっと顔を背けようとした。

「真っ赤。赤すぎ」
 
クックッと肩で笑って、今度は瞼にキスを落とすウソツキさん。

「ネコ。自分の手、見てみて」
「え?」
 
私は恐る恐る、先ほどまでウソツキさんと絡めていた指を見た。

「あ……」
 
その手の色は、いつもの自分の手の色のままだった。