初めて触れる手に、首に、頬、体温、感触、ウソツキさん自身。
私は感極まってしまって、ウソツキさんの名を呼びながら、うわーんって子どもみたいに泣いた。

好きだって気持ちが溢れ、抱き合っているのにもっとぴったりくっつきたくて仕方がない。
気持ちと体が連動しているんだってことを、嫌ってくらいに思い知る。
　
こんな、自分から触れたくなる衝動なんて知らなかった。
ウソツキさんの私を撫でる手が温かくて、私に触れる指が優しくて、夢中でしがみついて泣き続けた。

「ネコ……？」
　
しばらくそのままの体勢で抱き合っていると、ウソツキさんが私の指に自分の指を絡ませながら声をかけてきた。
ヒックヒックといまだにしゃくりあげている私は、返事ができずにウソツキさんの胸に体を預けたままだ。