「そういえば、遼平は“晃樹の家に、美亜ちゃんが傘を返しにきた”って私から聞いて、初めて会ってるって知ったのよね? とっくに晃樹本人から遼平に話しているもんだと思ってたけど」
沙織さんも便乗する。
ウソツキさんはしれっとした顔をして、なにも言わない。
「晃樹、お前まさか、美亜になんか変なこと……」
「遼平も同棲していることを俺に口止めしてたんだから、おあいこだろうが」
「ぐ」
お兄ちゃんとウソツキさんが言い合いをしているこの状況に、私はなんだかふきだしそうになってしまった。
ふたりが友達だったなんて、いまだに信じられない。
「あとさ、俺の卒論についても、いい加減な情報流さないでくれる?」
「俺はべつに、変なこと言ってねーよ」
「俺の論文、確かに“暗示”についてだけど、睡眠暗示についてであって、過去の実験データから拾って考察するだけの論文だし。お前の勘違いが妹にも伝染してんじゃねーか」
沙織さんも便乗する。
ウソツキさんはしれっとした顔をして、なにも言わない。
「晃樹、お前まさか、美亜になんか変なこと……」
「遼平も同棲していることを俺に口止めしてたんだから、おあいこだろうが」
「ぐ」
お兄ちゃんとウソツキさんが言い合いをしているこの状況に、私はなんだかふきだしそうになってしまった。
ふたりが友達だったなんて、いまだに信じられない。
「あとさ、俺の卒論についても、いい加減な情報流さないでくれる?」
「俺はべつに、変なこと言ってねーよ」
「俺の論文、確かに“暗示”についてだけど、睡眠暗示についてであって、過去の実験データから拾って考察するだけの論文だし。お前の勘違いが妹にも伝染してんじゃねーか」