「ねーねー、ナナ。彼氏ってどうすればできるもん?」
休み時間。
いつものように教室の窓際に集まり、四人で他愛もない話。
「そんなこと言われてもねぇ」
アサちゃんの問いに、この中でひとりだけ彼氏のいるナナちゃんは困ったように笑っている。
「アサはまず、好きな人をひとりに絞りなよ。誰にでも、カッコいいカッコいい言って、ミーハーすぎ」
ノンちゃんがすかさずツッコみ、私はそのやり取りがおもしろくて、クスクスと笑った。
「あ、ねぇ、美亜っちと同中の男の子とかいない? うちら三人とも同中だったから新たな出会いがなくてさ」
「え?」
アサちゃんから中学の話が出て、一瞬で固まる。
“同中”“男の子”というワードが、私の気持ちを一気に冷やしたからだ。