「なんで、教えてくれなかったの？」
「それは……ほら、なんか、照れくさいというか、なんというか……」
　
そんな……。

膝から崩れ落ちてしまいそうな衝撃だ。

私、ずっと勘違いしてた、ウソツキさんの彼女だって。
まさか、それがお兄ちゃんの彼女だったなんて。
しかも、そんな理由でその真実が隠されていたなんて。

あきれてなにも言えない。

「ふふ。あ、ちなみにね、私と遼平と晃樹は高校からの仲で、今バイトも三人一緒なの」
「バイトって……」
「駅前のイタリアンレストラン、BEATO」
　
あぁ、この沙織さんって人とウソツキさんが一緒に入っていったお店だ、きっと。
もしかして、あのスーパーの袋はバイトの買い出しのものだったのかもしれない。