「あ、そうそう。この前から聞こうと思ってたんだけど、お前、晃樹と最近会ってたんだな」
「え?」
テレビに向けていた顔を、パッとお兄ちゃんのほうへ戻す。
空耳かと思って首を傾げると、お兄ちゃんは、
「傘返しに行ったんだろ? 晃樹に」
と続けた。
“晃樹”?
“晃樹”って、あの女の人も呼んでいた。
ということは……え?
ウソツキさんのこと?
「晃樹……さんのこと、お兄ちゃん知ってるの?」
「知ってるもなにも、アイツ、高校からの親友。ちなみに学部はちがうけど、同じ大学の四年。バイト先も一緒。高校の時、家にも二、三回遊びにきたことあるだろ。美亜は小学生だったけど」
「え?」
「え?」
テレビに向けていた顔を、パッとお兄ちゃんのほうへ戻す。
空耳かと思って首を傾げると、お兄ちゃんは、
「傘返しに行ったんだろ? 晃樹に」
と続けた。
“晃樹”?
“晃樹”って、あの女の人も呼んでいた。
ということは……え?
ウソツキさんのこと?
「晃樹……さんのこと、お兄ちゃん知ってるの?」
「知ってるもなにも、アイツ、高校からの親友。ちなみに学部はちがうけど、同じ大学の四年。バイト先も一緒。高校の時、家にも二、三回遊びにきたことあるだろ。美亜は小学生だったけど」
「え?」