一週間ほど経った。
あれ以来、マンションの屋上には行っていない。

アサちゃん達も、落ちこんでいる私の様子を心配して声をかけてくれたけれど、「失恋しちゃった」とひと言言ったら、それ以上なにも聞いてこなくなった。
 
授業中、窓の外の雨を見ながら小さなため息をつく。

ちょっと前までは、自分がこんなことで悩むとは思いもしなかった。
もう何日も経ったのに、想っても無駄だって悟ったのに、頭の中ではウソツキさんのことが、グルグルグルグル……。
 
自覚なんてしなければよかった。
彼女の話なんて出さなければよかった。

そう後悔をしてはどのみちいずれはこんなふうになっていたはずだ、と堂々巡りの感情が私のため息をさらに深いものにした。