「そんなの効かないっ! 私はどうせっ……どうせ一生治らないんだっ!」
ボロボロ出てくる涙を拭わずにそう言い捨てて、私は屋上の出入口まで走った。
そのまま階段を駆けおり、エレベーターの下へ行く矢印ボタンを何回も連打する。
「……うっ」
エレベーターのドアが開き、中に入ったら一階を押して、その場にしゃがみこんで泣き崩れた。
止まらない涙を、何度も何度も手の甲で拭う。
さっき、私が目を閉じたのは、蕁麻疹が出そうだとおびえたからじゃない。
「うっ……う」
キスを……キスをしてもらえるのかと思ったからだ。
「うぅ――――……」
そんな一瞬でも、できもしないことを期待した自分がバカみたいで、なにも教えてくれないくせに私を掻き乱すウソツキさんがどうしようもないほど憎らしくて、もう、私は感情を抑えることができなかった。
ボロボロ出てくる涙を拭わずにそう言い捨てて、私は屋上の出入口まで走った。
そのまま階段を駆けおり、エレベーターの下へ行く矢印ボタンを何回も連打する。
「……うっ」
エレベーターのドアが開き、中に入ったら一階を押して、その場にしゃがみこんで泣き崩れた。
止まらない涙を、何度も何度も手の甲で拭う。
さっき、私が目を閉じたのは、蕁麻疹が出そうだとおびえたからじゃない。
「うっ……う」
キスを……キスをしてもらえるのかと思ったからだ。
「うぅ――――……」
そんな一瞬でも、できもしないことを期待した自分がバカみたいで、なにも教えてくれないくせに私を掻き乱すウソツキさんがどうしようもないほど憎らしくて、もう、私は感情を抑えることができなかった。