「昨日、駅前にできたアイスクリーム屋さんに友達と行きました。そのあと、雑貨屋さんにも行って」
「ああ、だから来なかったんだね、昨日」
 
ウソつきだ。
彼女と一緒にいたくせに。

「楽しかった?」
「……はい、まあ」
 
楽しいはずがない。
胸が痛くて死ぬかと思った。

「なんかあった?」
「なんでですか?」
「なんとなく」
 
どうして、わかっちゃうんだろう。
ウソツキさんのこういう鋭さは侮れない。
まさか、自分が彼女と歩いているところを見られたとは思っていないだろうけれど。

「なにもないです。本当に楽しかった」
「ふーん」
 
ウソツキさんは少しだけ疑うような顔をしながらも、それ以上は聞かず、ぼんやりとまた空を仰ぐ。