次の日。
会いにいくのはこれで最後にしようと決心して、マンションの屋上に向かった。
重い扉を開けて、いつものベンチのほうへ歩く。
今日は寝転ばずに、煙草を吸いながら座っているウソツキさんがいた。
彼の姿を目にしただけで、胸がきゅっと締めつけられ、鼻の奥がツンとする。
自覚しただけでこんなふうになっちゃうんだって、ちょっと笑えてしまうほどだ。
「煙草吸うんですね」
「わっ、びっくりした。いつも驚かせてくれるね、アナタ」
そう言って煙草を携帯灰皿で揉み消すウソツキさん。
「私の前で吸うところ、見たことなかったです」
「女子高生に副流煙なんて吸わせられません」
高飛車な顔でそう言うウソツキさんに、私は「ふーん」と返した。