「美亜、先に出てたんだね。って、え? 涙出てるよ、どーしたの?」
店から出てきたナナちゃんが、私を見て驚く。
言われたことで、ようやく自分が知らず知らずのうちに涙を出していたことに気付いた。
「ハハ、目にゴミが入っちゃったみたい」
ナナちゃんは「びっくりしたよ」と言いながら、私の肩をポンと叩いた。
ごまかすように笑いながらも、私の心の中ではいろんな感情がないまぜになっていた。
気付きたくない。
気付いたって、いいことなんてひとつもない。
でも、見ないふりをしようとあがいても、いつのまにか胸のうちに確実に住み着いてしまった気持ち。
それはもう認めざるをえなくなっていた。
私は、やっぱり、ウソツキさんが好きなんだ。
店から出てきたナナちゃんが、私を見て驚く。
言われたことで、ようやく自分が知らず知らずのうちに涙を出していたことに気付いた。
「ハハ、目にゴミが入っちゃったみたい」
ナナちゃんは「びっくりしたよ」と言いながら、私の肩をポンと叩いた。
ごまかすように笑いながらも、私の心の中ではいろんな感情がないまぜになっていた。
気付きたくない。
気付いたって、いいことなんてひとつもない。
でも、見ないふりをしようとあがいても、いつのまにか胸のうちに確実に住み着いてしまった気持ち。
それはもう認めざるをえなくなっていた。
私は、やっぱり、ウソツキさんが好きなんだ。