「ねぇねぇっ、みんなでアイス食べにいこうよ!」
「アイス? この時期に?」
 
数日後、帰りのホームルームが終わった後、アサちゃんの提案にけだるそうに返すノンちゃん。

「いいじゃん、駅前に新しいとこできたみたいだからさ、行きたい」
「私はOKだよ。今日、体育館使えなくて部活ないからでしょ?」

ナナちゃんが手を挙げる。ナナちゃんはバレー部、アサちゃんとノンちゃんはバスケ部だ。

「やった! ほら、たまにはみんなで寄り道して帰ろう。美亜っちもなにもないでしょ?」
「あ、うん。行く」
 
少しだけウソツキさんのことが頭をよぎったけれど、ほぼ毎日会えるんだし、今日くらいはいいだろう。
友達との寄り道なんて、私にとってはめったにないことなのだから。