「なに? それとも、俺を男として意識しだしてんの?」
クスクスと笑う声。
離してほしい。
でも、離されたら、この真っ赤な顔を見られてしまう。
きっと、彼はいつものしたり顔をしているのだろう。
私の反応が面白いから、困らせて遊んでいるんだ。
「お兄ちゃんは、こんなことしません」
「そう?」
私は小さなボソボソ声で反論したけれど、ウソツキさんは、なおも楽しそうに笑っている。
「手、袖に隠して」
今日は手袋をしていないから、直接手と手が触れないように言ったんだってわかった。
私はフード越しに耳に響いたその言葉に従って、大きいパーカーの袖の中に手を引っこめる。
しばらく、うしろから抱きしめられながら静かに夕陽を見た。
背中から伝わる体温が、ウソツキさんと密着していることを再認識させるから、気を緩めると、瞬く間にまた顔に熱を集めてしまう。
クスクスと笑う声。
離してほしい。
でも、離されたら、この真っ赤な顔を見られてしまう。
きっと、彼はいつものしたり顔をしているのだろう。
私の反応が面白いから、困らせて遊んでいるんだ。
「お兄ちゃんは、こんなことしません」
「そう?」
私は小さなボソボソ声で反論したけれど、ウソツキさんは、なおも楽しそうに笑っている。
「手、袖に隠して」
今日は手袋をしていないから、直接手と手が触れないように言ったんだってわかった。
私はフード越しに耳に響いたその言葉に従って、大きいパーカーの袖の中に手を引っこめる。
しばらく、うしろから抱きしめられながら静かに夕陽を見た。
背中から伝わる体温が、ウソツキさんと密着していることを再認識させるから、気を緩めると、瞬く間にまた顔に熱を集めてしまう。