アサちゃんは流れるように説明しながら、手を広げて恍惚とした表情を浮かべている。

私は目が点になった。
なぜなら、今言われたことが全部当てはまるからだ。ウソツキさんに対して。

「えー……」
 
私は上昇した顔の熱を冷ますために両頬を両手で冷やす。
恋愛感情なの? と自問すればするほど、どんどん顔が紅潮していくのがわかる。
 
ウソだ。そんなわけない。

「美亜っちの恋バナ、初めて聞けて嬉しい。どんな人なのか、今度ちゃんと教えてね」
 
アサちゃんはウィンクをして去っていった。
私は相談する前よりも、数倍悩む羽目になった。