「美亜、大丈夫?」
 
ナナちゃんが心配そうに私の顔を見る。
アサちゃんも、私と大橋くんを交互に見ながら「うーん」と渋い顔。
 
たぶん、大橋くんは、私がずっと避けている理由を聞きたいのだろう。

たしかに、同じ教室にいてあからさまに避けているのは心苦しいし、大橋くんにしてみれば一層気分はよくないはず。
理由がわからないから、なおさらだろう。

「うん、大丈夫」
 
私はそう言って、席を立った。教室の外へ出る大橋くんのあとを、ゆっくりついていく。

三人は心配そうな顔をしていたけれど、たぶん大橋くんへの信頼感からだろう、それ以上なにも言わずに見送ってくれた。