全身の毛が逆立つぐらい、顔が熱くなる。

またしてもからかわれた。
くやしさと恥ずかしさで、穴があったら入りたくなる。

「今、蕁麻疹が出るとか、触れられるのが嫌とか、微塵も思ってなかったっしょ? よけようと思えば、よけられたはずなのに」
 
ケタケタ笑いながらそう言うウソツキさん。

私は「からかわないでください」と肩を叩きながらも、たしかに、と思って、またはずかしくなった。

なぜだろう、触れるかも、って思ったけれど、顔を背けようとは思わなかった。
触れてもいいとさえ、もしかしたら思ったのかもしれない。
 
ウソツキさんだからなのだろうか。
“怖い”とか“嫌だ”なんて、スローモーションの中でさえ、頭をかすりもしなかったのは。
 
……わからない。
わからないけれど、本当に嫌じゃなかった。