「あら、大胆。本当に飛びこんでくるとは思わなかった」
「だって、嬉しいんです。なんか本当の友達ってこんな感じだったんだって思って」
 
心の中でジャンプしながら、興奮ぎみに訴える。

「話、全然教えてもらってないけど、まあ、とりあえずおめでと」
 
ウソツキさんは直接触れないように横に伸ばしきっていた手を背中にゆっくり回し、ポンポンと優しく叩いてくれた。

温かい、嬉しい、心地いい。
想像どおりのウソツキさんの反応に、頬が緩んでしまう。

「ネコ。そんなに無防備に抱きついてきて、俺のこと意識してないわけ?」
「え?」
「オオハシくんの時みたいにドキドキする?」
 
ふっと、ウソツキさんの片方の口角があがった。
その意味深な笑みに、私は首を傾げる。

「なんでですか? ウソツキさんはお兄ちゃんみたいですよ? いや、もしかしたら、お兄ちゃんよりもっと安心できるかも」