もう六時くらいなんだろう。
薄暗くなってきた中、肌寒い風が沈黙の間を通りすぎていく。
私はゆっくり口を開き、ポツポツと話しはじめた。
「大橋くんが……」
「オオハシくんが?」
「私が勇気を出して正直に打ったメール、友達に見せてた」
私の手を握るウソツキさん。
その手に、少しだけ力が加わったような気がする。
「普通に、軽く見せてた。私があんなに悩んで考えて打ったメールを。他の誰にも知られたくない内容だったのに、大橋くんを信じて話したのに」
くやしい。悲しい。痛い。
言いながら、抑えていた感情が溢れてきて、私もウソツキさんの手袋の手をぎゅっと握りなおした。
「み、みんなに、ばらされるのが怖い。また前みたいに、白い目で見られるのが、友達がいなくなるのが、怖っ……」
最後まで言えずに、涙の前兆をやり過ごすように下唇を噛んで黙り込む。
薄暗くなってきた中、肌寒い風が沈黙の間を通りすぎていく。
私はゆっくり口を開き、ポツポツと話しはじめた。
「大橋くんが……」
「オオハシくんが?」
「私が勇気を出して正直に打ったメール、友達に見せてた」
私の手を握るウソツキさん。
その手に、少しだけ力が加わったような気がする。
「普通に、軽く見せてた。私があんなに悩んで考えて打ったメールを。他の誰にも知られたくない内容だったのに、大橋くんを信じて話したのに」
くやしい。悲しい。痛い。
言いながら、抑えていた感情が溢れてきて、私もウソツキさんの手袋の手をぎゅっと握りなおした。
「み、みんなに、ばらされるのが怖い。また前みたいに、白い目で見られるのが、友達がいなくなるのが、怖っ……」
最後まで言えずに、涙の前兆をやり過ごすように下唇を噛んで黙り込む。