――……ンポーン。
 
どのくらい経ったのだろうか。
間延びしたインターホンの音に、私はふっと目を開ける。

「……ん」
 
時計を見ると五時半。
一時間くらい眠ったようだ。
 
再度聞こえたインターホン。

誰だろう? セールス? 
面倒くさいから無視しようと思い、ごろりと寝返りを打った私は、布団に頭ごともぐりこむ。
 
――ピンポンピンポンピーンポーン。

「うるさいな、もう」
 
あまりのしつこさに起きあがり、部屋を出て玄関へと向かう。
うちのアパートは古くてカメラ付きインターホンじゃないので、忍び足で玄関のドアの覗き穴を見てみた。

「えっ!」
 
なんで? と思って、勢いよくドアを開ける。