「……じゃあ、しばらくの間は朝のうちに充電しとこうかな」
「へ?」
と、不意に朝陽が私の耳元に唇を寄せて、溜め息のように小さな声で言葉を紡いだ。
「菜乃花に会える時間、減るだろ。だから朝はずっと手を繋いで、菜乃花を充電しとく」
「……っ」
「応援してくれるって言うなら、もちろん、いいよな?」
耳元で笑みを零された瞬間、全身の血液が沸騰したように熱を持った。
耳の先まで熱くなって、きっと、今の私の顔は真っ赤だろう。
咄嗟に朝陽から距離を取ろうと身体が一歩離れたけれど、すぐに手を引かれて逃げることは叶わなかった。
「ひゃ……」
「充電中なんだから、離れるの禁止」
真面目な口調で言い渡されて、今度こそ顔が真っ赤になった。
……朝陽は、ズルい。
こんな風にからかって、私の反応を見て楽しんでいるんだ。