本当に、何をやってるんだろう。

こういうのが、私の空気の読めないところなのだ。

以前に比べたら大分マシになったと思っていたけれど、やっぱり私は"普通"じゃない。


「ほ、ほんとにごめんね。今の、全部忘れてくれていいから──」

「なんで、障がいを抱えてたら好きな奴に好きって伝えるのが、ダメなんだよ」

「え……?」

「今以上の何かを望んだらダメだとかも、意味わかんねぇ。別にいいだろ、欲しいものを欲しいと思っても」


力強い声。

唐突に口を開いた陸斗くんは、眉根を寄せて私のことを睨み下ろした。

思わず顔を上げた私は返す言葉を失って、ただただ、彼の綺麗な顔を見上げることしかできない。


「それに、アイツが本当は何を想ってるかなんて、アイツにしかわかんねぇだろ。少なくともアイツは自分の意志で、今、アンタのそばにいるんじゃねぇの?」

「……っ」

「そうじゃなきゃ、そんな何年も、一番近くで支えてくれたりしないだろ」