言いながら彼は、右手で床を指差した。

確かに陽が差し込んできていて、床に光の水溜りを作っている。

陸斗くんはその上に片膝を立てて座っていて、確かにとても暖かそうだ。


「っていうか、いつまでそこに突っ立ってるわけ」

「あ……えと、」

「入ってくるなら、さっさと入れよ。また誰かに見つかると面倒くさいし……早く扉、閉めてくれない?」

「は、はい!」


言われて私は慌てて、後ろ手で扉を締めた。

すると空気が動いたのかアイボリーのカーテンが大きく揺れる。

相変わらず床に座る陸斗くんの目は真っ直ぐに、私へと向けられたままだ。

……本当に、綺麗な人。

朝陽のように洗練された容姿をしているのに、どこか野性的で……なんとなく、目が反らせない。