「……また、アンタか」
視線の先。そこには今一番会いたくない人がいて、反射的にゴクリと息を呑む。
一番会いたくないと言いながら、毎日のように会ってるんだけど。
むしろ、つい数十分前まで隣にいたし、今日だって授業中はずっと、隣にいた相手だ。
「り、陸斗くん」
「ウザ……」
ぽつりと零すと、何故か床の上に寝そべっていた陸斗くんが身体を起こした。
まさか、そこで寝ようとしていたのだろうか。
頭を左右に振った彼に合わせて栗色の髪がふわりと揺れて、彼のすぐそばにあるカーテンが躍った。
直後、切れ長なのに大きな目が私を射抜き、再びゴクリと喉が鳴る。
「えと……なんで、そんなところに……」
「……温かいから」
「へ?」
「太陽の陽が入ってきて温かいんだよ、ここ」