「お前らなぁ、課外活動の授業は遊びじゃないんだから真面目に──って、山田! お前、こんなところにいたのか!」
「……っ!」
"山田"と先生が呼んだ名前に驚いて、咄嗟に隣の朝陽を見上げたけれど、すぐに山田違いだと思い至る。
先生が今呼んだのは、朝陽じゃなくて陸斗くんだ。
「マジかよ……めんどくせー」
「何が面倒くさいだ! 山田、お前、浜辺清掃を選択したくせに、毎回出席だけ取って、すぐに姿をくらませてたらしいな! さっき浜辺清掃の担当の先生が、やっぱりお前の姿が見当たらないと俺に言ってきたばかりだぞ! お前は今すぐ、俺と職員室に来い!」
捲し立てるように告げられた先生からの言葉に、陸斗くんが脱力したように息を吐いた。
今更だけど、やっぱり彼はサボっていたのだ。
もしかして体調が悪くてここで休んでいたのかな……なんて、ほんの少しだけ思ったけれど、やっぱり違った。