「なんか、りっくん雰囲気変わったなぁ。あの頃はチビだったのに、背ぇ高くなってたから、最初全然わかんなかったわ!」

「そう言うリュウこそ、デカくなりすぎだろ。でも、うるさいところは昔から変わんないな」

「うっせー!」


先ほどまでとは打って変わった、軽快なやり取りに唖然とする。


「っていうか、りっくん、今どこに住んでんだよ? オバサン、元気か? 今度ウチに遊びに来いよ! 俺んちの母さんも、久しぶりにりっくんに会えたらきっと喜ぶから──」

「コラァ!! お前ら、授業中なのに何、騒いでんだ!!」


その時、突如扉の向こうから怒号が飛んだ。

一斉に動きを止めてから振り向くと、そこには商業科でも怖いと有名な先生が立っていて、思わず身を硬くする。