「っていうか、目障りだから。さっさと、ここから出てってくれる?」

「……アンタ。何、急にキレてんの?」


両手をズボンのポケットへと入れて、顎をツンと上げた陸斗くんが気怠げに朝陽を見つめた。

私は二人の間に漂うピリピリとした空気を肌で感じながらも、どうすることもできなくて……。


「ああ、もしかして俺がソイツに〝使えねー〟って言ったから、キレてんの?」

「そうだとしたら?」

「もしかして、ソイツと付き合ってるとか?」

「そんなの、お前に関係ない」


言葉の端々に、あからさまに険悪な雰囲気を纏わせる二人を前に戸惑ってしまった。

なんで、急にこんなことになるの?

もちろん陸斗くんがサボっていたのが悪いんだけど、朝陽もわざわざ喧嘩腰にならなくたっていいのに。