「ほら、さっさと掃除始めるぞ」
言いながら朝陽が、繋いでいた手を離してリュージくんからモップを受け取る。
その一つを私が受け取って、「ありがとう」と言うと「菜乃花は、重いものとか運ばなくていいから」と優しく諭された。
「机の移動は、リュージ担当な」
「……朝陽って、マジで、なのちゃん以外には容赦ないよな」
どこか呆れたように息を吐いたリュージくんは、ヤレヤレと小さく首を振る。
と、そのタイミングで目が覚めたのか──ピアノ椅子の上で寝ていた男の子が、ゆっくりと身体を起こした。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…