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「おー、やっぱ、第三棟って何度来てもボロいなぁ」


第三棟に入るなり、そんなことを言ったリュージくんは熊のように大きな身体を揺らして、ズンズンと廊下を進んでいく。

私と朝陽はまるで親熊に連れられた小熊のように彼の後ろをついて歩き、高校生にしては大き過ぎる背中を感心しながら見つめていた。


「マジで、ボロすぎて壁にヒビとか入ってるし!」


リュージくんの言う通り、商業科が使っている第三棟の建物は、とても古い。

数年前に建て替えがされた特進科の第一棟、普通科の第二棟と比べると──というか、比べものにならないくらいボロボロなのだ。